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経済的利益 1

経済的利益 1

金銭以外の物または権利等の給付を経済的利益と言う。これらはそのときの時価をも って給付等の収入とされ課税の対象となるので注意が必要である。経済的利益には次にか かげる様な利益が含まれる。


  • 物品その他の資産の譲渡を無償又は低い対価で受けた場合における通常支払うべき対価 の額又はその差額に相当する利益。
  • 土地、家屋その他の資産の貸与を無償又は低い対価で受けた場合における通常支払うべ き対価の額又はその差額に相当する利益。
  • 金銭の貸付を無利息又は通常の利率よりも低い利率で受けた場合における通常の利息又 はその差額に相当する利益
  • 以上2及び3以外の用役の提供を受けた場合も又同じく。
  • 債務の免除を受けた場合又は債務を他人に負担してもらった場合も又同様である。

[具体的な課税上の取扱い]

1.永年勤続者の記念品等
永年勤続者に記念として旅行、観劇等に招待し、又は記念品を支給した場合、原則的に は課税扱いとなるが次の要件のいずれにも該当するものについては課税しなくても良い。
(ア)当該利益の額がその役員又は従業員の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められること。
(イ)表彰が、おおむね10年以上の勤続年数の者を対象とし、かつ2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること。

(注)有価証券や商品券は金銭と同一に扱われ給与所得として課税される。

2.創業記念品等
創業記念、合併記念等に際し、その記念として支給する記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない。)で次にかかげる要件のいずれにも該当するものについては課税されない。
(ア)その記念品が社会通念上記念品としてふさわしいものであり、かつその価格(処分見込価額)が1万円以下であること。
(イ)創業記念のように、一定期間ごとに到来する記念に際して支給する記念品については創業後相当の期間(おおむね5年以上)ごとに支給するものであること。

3.商品、製品等の値引価格
自社の取り扱う商品、製品等(有価証券及び食事を除く)の値引販売をすることによる経済的利益のうち、次の要件のいずれにも該当するものについては課税しなくて差し支えない。
(ア)値引販売に係る価額が会社の取得価額以上であり、かつ通常他に販売する価額に比し著しく低い価額(通常他に販売する価額のおおむね70%未満)でないこと。
(イ)値引率が役員又は従業員の全部につき一律に又はその地位、勤続年数等に応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲内の格差を設けて定められていること。
(ウ)値品販売をする商品等の数量は、一般の消費者が自己の家事のために通常消費すると認められる程度のものであること。

(次回予告)つづき