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特殊な給与等

経理・税務・会計・実務入門編

会計、経理関係の実務を担当することになると、実に多方面の知識を要求されることとな る。最初、事務の単純な一部を担当していても徐々に開口が広がり、やがて各面で一通り の経験を積むと、その広さ、深さが理解できる様になる。そこで、今回は入門編として実 務の多彩な展開の中で出会う、経理、会計、税務の具体的問題にスポットをあてて考察し てみたい。順不同、整理不十分の点は御了承寛容下さい。


第一章 源泉徴収

1.給与所得の源泉徴収

給与所得の収入金額には金銭以外の物又は権利の価額も含まれる。物又は権利(経済的利 益)の収入金額はそのときの価額(いわゆる時価)である。

(1)特殊な給与等

  • 宿日直料
    宿直料又は日直料は給与に該当する。ただし、通常の場合、一回につき4,000円(宿日 直により支給される食事がある場合は4,000円からその食事の価額を控除した金額)まで の部分について課  税されない。
  • 定額旅費
    。。。。勢上の旅行費用に充てるものとして、月額、又は年額の定額を支給するもの は、給与とされる。これは定期券の現物支給、あるいはその購入費用の実費精算とは異な り交通手当、旅行手  等の名目で給与の支給項目の一つとして支給されるものであるか ら、給与所得とされるので注意が必要である。
  • 交際費等
    交際費、接待費等として役員又は従業員に支給されるものは給与となる。たいして交際 費等として使用したことの事績の明らかなものについては課税される。いわゆる渡し切り 交際費は給与に含  めて課税される。毎月定額支給して清算しないものは課税されるので 注意が必要である。
  • 結婚祝金品等
    役員又は従業員に対し、結婚、出産等の祝金品は給与とされる、たいし、その金額が受 ける者の地位等に照らして社会通念上相当のと認められるものについては課税されない。 従って、相当と認  められる金額を超えるものについては、その金額が給与所得として課 税の対象となるので注意が必要である。
  • 発明等に係る報償金等
    業務上有益な発明、考案等に対する報償金、表彰金、賞金等については以下の様に取り 扱われる。
    (ア)発明、考案又は創作をした者がその特許を受ける権利等を会社に承継させたことに より支払をうけるものは譲渡所得として扱われ、その後支払をうけるもの雑所得として扱 われる。
    (イ)自ら特許権等を取得し、これらについて通常実施権又は専用実施権を設定したこと により支払を受けるものは雑所得として取り扱われる。
    (ウ)事務もしくは作業の合理化、製品の改善の工夫等により支払を受けるもの。通常の 場合は給与所得となる。

(次回予告)経済的利益