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相続と時価.2

〈ニュース点描〉
〜 某不動産会社の含み益 1.5 兆円 〜   (2月18日日刊紙)

2010年3月末から適用される「賃貸等不動産の時価表示」を控え、試算によると大手不動産各社は未だ多額の含み益をもつことがわかった。A社は約1.5兆円、B社7,000億円、C社6,000億円あるという。これはB/S上取得原価で表示されているものと投資用不動産時価で注記するため、含み益が開示されることとなるものである。
:さすがは財閥系不動産、すごい含み。
たいし含み損があれば、これも開示されることとなる。

〈前回つづき〉
相続時に例外的に鑑定評価による時価が認められるのは、実際の時価が路線価よりも著しく低い場合であるが、その内、最も注目されるのは広大地である。広大地に該当するか否かの判定は

  • 大規模工場用に該当しない
  • マンション適地に該当しない
  • 面積が著しく拡大
  • 公共施設(道路等)の負担の程度

等いくつかのポイントがり、非常に難関となるので、専門家の判断、鑑定が必須となろう。
以上、相続との関係で時価を求めたが、これまでは国内の不動産についてであった。海外不動産についてはどうなるか。以下に概説する。

〈海外不動産の相続価額〉
海外不動産についてもこの評価通達の定めるところに従って評価する。と原則はうたっているが、路線価はないから事実上これは不可能である。よってこの通達に定める評価方法に準じた方法によることとされる。

具体的には

  • 取得価額に時点修正をして求める方法
    すなわち課税上弊害がない限り一般的な価額動向に基づき変動率を求め、取得価額に乗じて求める方法である。
  • 周辺の売買実例価格、精通者意見価額を参照して評価する。精通者としては主要国では不動産鑑定士制度があり、原則その鑑定評価書を活用することとなる。しかし不動産鑑定士制度のない国の場合は、地元精通者としての不動産業者等の価格査定による評価が基本となる。これらの場合、評価書又は査定書の信憑性を担保するため、翻訳書及び日本の不動産鑑定士の適正価格確認書の添付が求められる。

なお、外貨建価額の邦貨換算に当たっては、原則として相続時の最終の為替相場(銀行が公表する対顧客直物電信買相場又はこれに準ずる相場をいう)によります。

次回予告:9、法人税法、所得税法における土地の時価