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土地の市場価格

土地の時価といえばもっとも身近には近くの不動産屋さんの店頭に掲示されている売地の値段がある。これがそのままここで云う時価そのものではないが、時価の指標の一つという役割を荷う。また、固定資産税の納税通知書に記載されてくる土地価格(課税の基礎となる)があり、さらには毎年国が発表する公示価格、都道府県の発表する基準地価格がある。この外、相続の際の課税の基礎となる相続税路線価がある。

こう挙げただけでも土地については4種類もの価格がある。経済学の教科書では一物には一価とする一物一価の法則が原則とされるが、土地についてはなぜ一物四価ともなるのであろうか。これがまず第一番目の疑問である。

第二番目の問題はそもそも土地の価格、あるいは価値、または市場の交換価値とは何かということである。しかし、問題をあくまで深追いすると話はややこしくなり、経済学の最もホットにして正解なき論争に首を突っ込むことになりかねないので、それはこの小稿の良くする所ではなく、もっぱら実用、実践に役立つ範囲で土地の時価を扱ってみたい。

今年は御承知のように都心の商業地をはじめとして公示価格が大幅に下落しました。これは相続税、固定資産税の税額に直結し、家計の資産形成に重要影響を及ぼします。税額にはマイナスの影響、すなわち税が安くなるが(のはず)、資産形成には大きな損失をもたらす。また、企業会計の上では土地の減損(評価減)を迫られる要因となる。この様に土地の時価は国民経済上の重要なファクターとして我々の生活にいや応なく密着している。

小稿では、20回位にわたり、この問題の実務的側面に的をしぼり、土地の価格付け、土地価格の取扱いを明らかにしてみたい。思いつくままに書き進めるので順不同、消化不良、あるいは多少迷路に入り込むことがあるかもしれませんが、何卒御容赦下さい。

そのプロセスで一物四価の謎が解明され、また土地の価格の真相に少しでも近づけたら良いがと期待します。

また、実務上、税務上の取扱いが少しでも実感として諸者の御理解に役立てば大変幸せであります。

1.土地の市場価格
不動産屋さんの店頭で紹介されている売値は、まだ売買が成立していない段階では時価の指標にすぎず、買い手との間で売買が成立して初めて取引価格、約定成立価格となる。これが一般的には土地の時価を示す最も端的な取引事例価格となる。ただし、厳密な意味で一般的な時価というためには、この取引は次の条件を満たしていなければならない。

  • この取引が自由な取引市場で成立したものであること。すなわち売り買いについて制約のない誰でも参加できる自由な取引市場において成立したものであること。 これは目下の我が国において不動産売買については通常成立しているとみてよいであろう。
  • この自由市場において通常成立するであろう価格。すなわち特別な事情で売り急ぎ、または買い急ぎとか法律的制約条件が課された取引によるものでない、普通一般の用途に供する者には誰にでも通用する一般的価格であること。

以上の条件は今日の我が国にみられる市場概念、すなわち自由主義経済の下で市場原理に基づく各種の取引市場における取引価格と何ら異なるものでない。