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法人税法、所得税法における土地の時価.1

法人税、所得税法における土地の時価

法人税法、所得税法上、土地の時価については別段の詳細な定義はなく、単に「その時における価額」とされているだけである。ただし、連結納税の開始等に伴う資産の時価評価損益にかかわる通達で、その解説がある。
「法人税基本通達12の3−2−1(2)
当該土地につきその近傍類地の売買実例を基礎として合理的に算定した価額又は当該土地につきその近傍類地の公示価格等から合理的に算定した価額をもってその価額とする方法」
と極めて実務的な査定方法を示している。なお、公示価格から算定する場合、簡便法として
近傍類地公示価格×
が考えられます。ただし、この方法では価格水準は解るが、角地、不整形地等の個別要因の補正ができない。
この通達は連結グループ内の 評価損益の算定といういわば内部取引に関するものなので、外部取引についてそのまま適用されると考えるの早計であろう。外部取引については、あくまで適正時価が基本であり、厳密な鑑定評価が前提となることを念頭におくことが望ましい。以下、若干のケースをとり上げ、時価をめぐる問題をクローズアップして みたい。

(1)土地の負担付贈与、負担付譲渡の場合
負担付贈与又は譲渡、すなわち債務付きで贈与等した場合は、土地の路線価等により評価するのではなく、そのときの時価で評価することとなるので注意が必要である。 低額譲渡については、その時価との差額が贈与として扱われ、みなし贈与として課税されるがその時価については一般的には路線価等によるものであるのが、土地等の負担付贈与等についてはそのときの時価によって課税されることとなる。 借入金により土地建物を購入し、その借入金を承継する条件で土地建物を贈与・譲渡する場合、賃貸ビルを預かり保証金承継条件で贈与・譲渡する場合等が考えられる。

(2)離婚に伴う財産分与
離婚に伴い土地を財産分与した場合には、通常の譲渡所得として、そのときの時価により課税される。なお、その土地が居住用財産である場合は居住用不動産の3,000万円控除の対象となる。この様に財産分与は税務上一般の売買と何ら異なることなく取り扱われる。その対価としては財産分与義務の消滅という経済的利益を得るからである、としている。



次回予告:(つづき)